3. ヒップアクションの重要性とルンバウォーク
ウォルターレアードは著書の中で、The Rumba is a “body” dance. と述べています。つまり、これはヒップアクションのことを述べていますが、ヒップアクションはルンバに限らず、ラテンダンスには欠かせない重要な要素です。なぜ重要かと言うと、ラテンダンスの体重移動は主にヒップアクションによって作られ、この体重移動とヒップアクションの関係性によって起こる動きがラテンダンスを特徴付けているからです。
ルンバウォークは体重移動とヒップアクションの関係性が凝縮されているという点でラテンダンスのアクションの中で特に重要なアクションです。ルンバウォークを理解するとその他のアクションにも応用することが出来るので、ラテンダンス全般で動きの質を高めることが出来るようになります。
では、ルンバウォークの説明に入る前に、まずはラテンダンスで使われる4つのヒップアクションを理解して下さい。私はヒップアクションは以下の4つで説明がつくと考えています。
ラテンダンスで使われる4つのヒップアクション
- ローテーション(ツイスト)
- ペンデュラムアクション(スウィング)
- リフティングアクション
- ティルトアクション
1. ローテーション
ローテーションは骨盤を右または左に回旋させるヒップアクションです。基本的にローテーションをする時は同時にレッグアクションを伴います。ツイストと呼ぶこともあります。
2. ペンデュラムアクション
ペンデュラムとは日本語で振り子という意味で、骨盤を右または左に傾けるアクションです。右足から左足に体重移動する時、骨盤が右に傾き、この時左の肩甲骨はやや下に下がります。左足から右足に体重移動する時はその反対となります。スウィングアクションとも言います。
3. リフティングアクション
リフティングアクションとは体重移動とともに右または左の骨盤を持ち上げるアクションです。
右足から左足に体重移動するとき、右の骨盤を持ち上げ、その時右の肩甲骨はやや下に下がります。左足から右足に体重移動するときはその反対となります。
4. ティルトアクション
ティルトアクションとは日本語で傾けるという意味で、主にサンバのバウンスアクションで使われます。膝が曲がるとき、同時に骨盤が後傾する動きとなります。この時姿勢が崩れないようにするため、お腹を縮める意識が必要となります。
このうちルンバウォークでは1〜3の3つのヒップアクションを使用します。
ルンバウォークとヒップアクションの関係性
ベーシックルンバの基礎知識の項でルンバウォークは7つあると述べましたが、ここではフォワードウォークとバックワードウォークのヒップアクションの使い方をおおまかに説明したいと思います。
まず前提として、ルンバウォークはカウント2やカウント3の1拍で1歩歩く場合とカウント4.1の2拍で1歩歩く場合で使い分けなければいけません。
カウント2の1拍で1歩の場合は
- カウント2でステップ、
- &でペンデュラムアクション、
- aでローテーション(レッグアクション)
となります。
これはフォワードウォークもバックワードウォークも共通です。
図にすると以下のようになります。
※カウント2&aの詳しい説明は音楽理論を参照下さい。
カウント4.1の2拍で1拍の場合、フォワードウォーク、バックワードウォーク共に基本的な考え方は次のようになります。
- カウント4でステップ
- &.1.&でペンデュラムアクション
- aでローテーション(レッグアクション)
となります。
フォワードウォークに関しては私はもう一つアクションを加えた動きで考えています。
- カウント4でステップ
- &.1でリフティングアクション
- 次の&でペンデュラムアクション
- aでローテーション(レッグアクション)
となります。
上級者はぜひリフティングアクションを取り入れたルンバウォークに挑戦して下さい。よりヒップアクションを強調したダンスが踊れると思います。
このようにヒップアクションを正しいタイミングで行うことで、リズムが明確になり、観ている人にも踊りからリズムが聞こえてくるようなパフォーマンスを届けることが可能となります。ルンバというと特に、曲の流れるような美しいメロディと雰囲気で、踊り自体も流すように踊ってしまうカップルをよく見かけますが、しっかりとヒップアクションで体重移動を行い、リズムを刻むことで、ひとつ上の表現を身につけることができるようになるでしょう。