芸術起業論

著者:村上隆
発売日:2018/12/6
出版社:幻冬舎

オススメ度 ★★★☆☆

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よく考えてみるとダンス競技会というのは、とても不思議な競技です。なぜなら、審査基準というものが明文化されていないからです。

たとえば、サッカーなどの球技は相手のゴールにボールを入れれば、自分たちの点数になり、点数の多い方が勝ちとなります。100m走などの陸上競技はより速い方が勝ちとなるなど、ルールブックに明確な勝ち負けの基準が示されていますよね。

しかし、競技ダンスはそのような勝ち負けの基準となる客観的な指標が存在しないのです。ルールブックと言えるものがなく、すべてはその時審査する審査員の主観に委ねられているのです。

客観的な評価基準がなく、審査員が変われば評価基準も変わる競技ダンスにどう向き合えばいいのか?

競技ダンサーであれば、一度はこの壁にぶち当たるのではないでしょうか?

この答えを見つける上で一つの指針となるであろう本を紹介します。

村上隆という芸術家をご存知でしょうか?
オークションで1億円以上の値段がついたこともある作品を生み出したモダンアートのアーティストです。

モダンアートもルールブックのない世界であるという点で競技ダンスと似ている点があるのではないでしょうか。この本は欧米と日本の芸術に対する見方の違いや一見評価基準の無いと思われるような世界において、何が評価され、何が評価されないのかを私に考えるきっかけを与えてくれました。

ぜひ一読されることをオススメいたします!

芸術家の文章なので読みにくいところも多々あります。結論だけ知りたい!という方は第一章の『芸術には世界基準の戦略が必要である』と第二章の『世界基準の文脈を理解するべきである』の項だけでも読むとためになると思います。

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